まずはうんちく
いかの塩辛:
塩辛いイメージのいかの塩辛の塩分濃度はどれ位かと言うと大体6%以上のようですね。理由としては、塩分濃度が5%以下だと、食べ物をくさらせる腐敗菌がはびこることが多いようで、塩分濃度を5%よりも高くすることで、食べ物を腐りにくくします。このような環境でも、発酵に必要な乳酸菌や酵母菌などにとっては、繁殖することができるそうです。

では、防腐剤としての塩の使い方を見てみると、
塩分濃度がある程度高いと細菌の多くは繁殖することができなくなり、さらに塩分濃度を高めると、生存すらできなくなってしまいます。これは、

1.塩が持つ浸透作用と、脱水作用により、食べ物に含まれる自由水を減少させて水分活性を低下させること
2.塩素イオンの作用
3.酸素の溶解度低下による、好気性細菌の繁殖抑制
4.タンパク質変成による、微生物自身の原形質分離
など、塩が持つ様々な働きによるもののようです。

他のものと比べると
海水:大体3.2〜3.5% 濃い口しょうゆ 16%〜18%位です。

もう少し詳しいうんちくはここに書いてますので、興味のある方は見てください。

 いかの塩辛を作ってみよう。

塩分の決定:

WEBで調べると、約6%の塩で、いかのわたと身、塩を混ぜ合わせて、密閉びんに入れて約1週間〜10日ねかせると食べられるようになります。この塩加減は薄めなので、2〜3週間で食べきるように。という事ですので、6%を中心に、3%、6%、10%の三種類の塩分濃度で作ってみます。(少し余ったので15%でもつくってみました。))
イカの選定:今回は冷凍のイカを使ってみます。理由として、イカにはアニサキスがいる事があるからで、塩漬けや酢漬けにした程度ではピンピンしている強者で、いかの身についているアニサキスは目できちんと確認すれば取り除くことは可能ですが、ワタにいるものまではなかなか取り除く事が出来ない事と、アニサキスは、摂氏マイナス20度で1晩以上冷凍すれば死滅すると言われています。そこで、いかは冷凍しても極端に味が悪くなるわけではないことから、安心して食べられる塩辛をつくるために冷凍のイカを使用します。
 味見でも。
塩辛茶漬け
10日以降熟成した6%濃度の塩辛は、臭みも無く最高の塩から茶付けになります。3%濃度は、少し役不足かな。

漬け込み日>
仕込んだ時点では、3%の塩分濃度でも塩辛さが強く、ついで 6%<10%<15%と塩分濃度通りで、15%になると塩を舐めているような感覚。また「わた」自体も臭いが少し強い。

漬け込み3日目
3%濃度は・・・。美味い!生臭みも無く味も濃く、まったりしていい感じ。これは成功したかも!! 
6%濃度は3%と比べると後少し。もう少し醗酵すれば美味しくなりそう。
10%濃度以上はまだ塩とイカが別々のような感じ。もう少しかかりそう。

漬け込み5日目
3%濃度 前回同様美味しい。
6%濃度 前回よりも塩と言う感じが無くなり熟成されました。一般的な味です。
10%15%とも熟成されてるようですが15%濃度物はイカの風味が少し強いです。
15%物はもう少しねかした方がいいのかもしれません。

漬け込み10日目
3%濃度は、まだまだ大丈夫ですが、イカ自体の弾力が無くなってます。そろそろ危ない時期になって来たので、本日食べきりました。
6%濃度は、熟成してきたら、3%より味が濃くいい風味です。
10%15%濃度は、酒のアテには抜群ですが、そのままではやはり塩辛いですね。
 
+ 結論 +
3%濃度の塩辛は1週間位から、いかに弾力が無くなり10目位にはおいしさのピークも過ぎている印象が残りますが、6%以上の物はこの頃より美味しくなってきます。20日の冷蔵保存でも何の問題も無く美味しく食べられました。
やはり10%以上の濃度になると塩辛さが残りますが、お茶ずけ等にすると抜群の美味しさがあります。
後、塩辛を取り分ける時の注意点としては、清潔な箸・スプーンで取る事が上げられます。汚れた箸(食事中の箸)で取ると、いらない雑菌が入る事が考えられ、防腐剤などが入ってない自家製の塩辛では特に気を付けた方がいいと思います。

6%位の濃度で毎日愛情を込めてかき混ぜ、美味しい自家製いかの塩辛LIFEをお送りください。
今回は大成功でした。

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