高知市の自然シリーズ 1

潮江の山 海抜117mの筆山から129mの高見山(皿ヶ峰) さらに南中山までを、一般に、潮江山と言っている。高知市の南、同じ高知市の潮江地区の西にあり、高知市の大切な里山である。南の鷲尾山・宇津野山・烏帽子山も野外学習に恰好の里山である。

潮江山での植物 筆山には山内家の墓所もあり、比較的自然が守られているので、筆山北側斜面(黒門付近)には広葉常緑樹のタブノキ・シイノキ・オガタマノキなどがしげっている。南の皿が峰へ歩を進めると、庶民の墓地の石垣のあいだにはテリハノイバラ・テイカカズラなどの草本類が見られる。高見山(皿ケ峰)はカヤ・ススキなどの冬は枯れるが宿根性の草本類が多く、風に乗って昆虫が多く見られる。昭和初期、牧野富太郎博士をまねいての採集会をした所で、学習には最適の場所である。
潮江山での昆虫
 食草が多いから昆虫も多く飛来する。皿が峰頂上には風に乗ってヒョウモン類が見られる。筆山にあるオガタマノキには特別天然記念物のミカドアゲハが育っている。

潮江山の地質 1971年(昭和45年)岡崎洋君(当時 潮江小5年生)の手によって筆山山頂付近でアンモナイトの化石が発見された。そのことから筆山は中生代の三畳紀(約2億年前)の地層ではないかといわれている。泥岩・砂岩の互層やチャートといわれる珪岩(けいがん))の露頭(ライオン岩)が見られ、さらに南には仏像構造線が東西に走っていて、治国谷では石灰岩を採取していた。

参考文献

  1986年(昭和61年)  北隆館発行       原色牧野植物大図鑑

  1989年(昭和64年)  高知市教育委員会発行  高知市の自然

昭和60年から平成4年まで(1958年から1992年まで)

  高知市子ども科学図書館発行研究誌    郷土の自然・高知市の自然

  1990年(平成2年)   高知新聞社発行     土佐の自然
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