海波神は思ふ
          

波と戯れ、自然を肌で感じ「あぁ・・・明日はどんな波に出会えるのだろう。。。」などと考えつつも、ふと思ふことがある。。。
皆の衆のくらし、大量生産、大量輸入、大量廃棄でおかしくなっているモノへのモラル、それに連動する地域社会の崩壊、子供たちへのストレス。。。生産性を上げろぉ!コレからは中国だぁ!。。。って、もっと自分の足元を見てはどうかのう。

昨今、下界では100円ショップという店が出来て、何でも100円で売っているそうやが、たしかに便利で何でこんな物まで100円?ってもんまで増えてきた、文具、食器、家庭用品、はたまた包丁、玩具etc。。。
それでなくても、スーパーやコンビニでは「賞味期限切れ間近!」を理由に毎日大量の弁当や食品が今日もゴミにされていく毎日、毎日。。。あらためて「モノに対する価格(価値)」って、いったいなんなんぢゃろう。

主は声を大に言う「直接、良い物を大量製造して大量仕入れ、全国で大量販売していますから、この価格でいけるんですよ!」「今までが高すぎたんですよ価格破壊です!価格破壊!」「うちは賞味期限を厳しく管理して、期限前には処分して、新しい物を並べてます!」etc...でもホントにそれでいいんかなぁ?

巷は相変わらず大量製造⇒大量流通⇒大量販売⇒大量消費で成り立っている日本経済!大量生産⇒大量消費とくれば「大量廃棄」になるじゃいか。。。日本ではゴミは自治体が無料(製造者からみれば)処理してくれる、皆の衆の税金で。。。

そんな相変わらずの大量消費社会で成り立ってる日本の経済、これを経済至上主義というらしいが、モノの価値ってのはホントに「安ければいい」のだろうか。。。
地域には伝統のある良いモノが沢山ある、土佐打ち刃物、土佐備長炭、手すき和紙、内原野焼、みませの沖ウルメetc...でも普段の生活に皆の衆、使ったことがあるのだろうか、ただの土産品になってはいないだろうか。

家で料理するのに包丁を手に取る、土佐打ち刃物の包丁を手入れしながら研いでは磨き何年も使いきるのか!はたまたホームセンターの特売で買った包丁、そこそこ使い切れなくなったから、この週末の特売チラシ見て買い換えるのか。。。

アウトドア流行の昨今、バーベキューと称して日本の大手企業資本に伐採されたマングローブ炭を価格が安いと燃やしているが、土佐備長炭を七輪に入れ火をおこすときに最初「はじける」のを知っているだろうか、備長炭の炭火の美しさ、火持ちの良さ、臭いの無い遠火の強火で焼いたメザシの旨さを感じたことがあるのだろうか。。。   
          

たしかに良いモノは、それなりの値段はする、しかしそのモノの素材、創る過程と手間を感じ、モノの良さを感じ取れるなら価値を分かることが出来て、長く大切に使うことが出来るのではないだろうか。
それが大量生産、大量消費、価格破壊のなかで、モノに対してのモラルがおかしくなってるような気がするのぢゃ。

地域の普段の生活の中にあってこその地場産品じゃなかろうか、そんな地場や地域の個人商店を厳しくさせているのも皆の衆よ「モノに対するモラル」がおかしくなってるんではないんかのう。

全国チェーン大資本のお店が地域に出てくる「ウチは安いでっせ!」巨大資本を楯に、どんどん安売り攻勢が始まる。当然の事ながら地域の個人商店(自営業者)崩壊していく、若者は地域に仕事が無くお街に出て行く、あるいは通勤勤め人になる、昼間地元に居る人間が少なくなる地域のお祭りや行事が徐々に縮小し存続できなくなってくる、そうなると地域の人間関係も希薄になってくる。
はたまた出来たばかりの新興住宅地、やっとローン抱えて買ったマイホーム、でも支払いに追われ共稼ぎ市内に仕事通勤し自宅に帰るのは毎晩夜中、隣の人?さて何さんやったっけ?住んでる地域は寝床かい!?

モノに対する価値観が「安ければいい」となってくれば、モノに対するモラルが崩壊してゆき、無駄遣いが多くなり、まだまだ使えるモノもすぐに買い換え、大きく言えば限られた地球資源のエネルギー消費が増えてくる。。。
良いモノを見て選択する眼をもち、自分で手入れし大切に長く使いつづける知恵を学んではどうかのう。

もっと重大なことは、そんな大量消費社会に巻きこまれた子供たち、スーパーで買ってきた、わざわざ輸入されたコーカサスオオカブト。。。「ママぁ動かなくなったから電池買って!」
カブトムシは山で取ってきて、世話をして一緒に遊び、いじりたおし、死んだ悲しみを感じ、お墓をつくって供養してあげる。そんなココロの育つ地域が無くなってきているのではないんかのう。。。
店に行けばモノが溢れている、街に行けば欲しいモノが手にはいる、バーチャルな世界では殴り合いが始まり、リセットボタン押せばスタートに戻ることができる。。。

核家族化がすすみ、お金のために共働き、借金してマイホームは手に入れたけれど住んでいる地域は寝に帰るだけ、寝床のわが家。。。お金お金に塾通い「今日も仕事で遅くなるから、このお金で何か買って食べててね。ママより」そんな寝床地域で子供たちのココロは豊かに育つのだろうか?それどころか結局は大人たちのココロも地域では絡み合って、いないのではないだろうか。。。

おっちゃんおばちゃんの個人商店も元気で文化やお祭りが続いていく地域。地場のモノを愛し育てていくことのできる地域。子供たちをいつも見守る人たちが居て、子供たちのココロを癒し自然から知恵を授かることのできる地域。四季を感じ、楽しいことは楽しいと、美しいものは美しいと素直に感じ言えるココロとコトバ。じいちゃんばあちゃんから知恵を授かり知恵を学ぶコトのできる地域。

ちょっとした工夫や考え方で自然から暮らしの知恵を授かりココロ豊かに暮らし遊べるとこが、ココならまだまだ身近にあり、いまからでも取り戻せるのだよ、自然を感じ四季を楽しみ知恵を授かり、まったりとめろうに行こうよ皆の衆。。。海
波神は、きっとそう思っているにちがいない。。。