北京旅行記
北京で開催された、第3回アジア糖尿病学会(3rd AASD)に、息子とともに行ってきました。参加者のほとんどは、急速な経済発展と、糖尿病患者の激増で注目されている、東アジアからの方でした。糖尿病発症・治療に係る、欧米人とアジア人の差異に関する演題が目立ちました。脂肪組織分布、インスリン分泌能、さらには、今話題のインクレチン製剤の効果・副作用発現においても、両者に差異が見られるため、欧米のデータに加えて、アジア独自のデータの蓄積が必要という印象を受けました。古くて新しい薬の、ビグアナイド剤については、懸念されるほど乳酸アシドーシスの発生の危険率は高くなく、もっと見直されて良いという発表がありました。遺伝子的に似通った、東アジア諸民族の間の、学術的交流を深めるべきという点では、論者の意見は一致していました。学会主催の夕食会は、呆れるほど派手でした。アトラクションには、千手観音ショー、京劇、少林寺拳法、美少女管弦楽団・歌舞団など、こてこてに盛りだくさんでした。北京の街では、喧騒と活力に、驚かされっ放しでした。空港からホテルまでは、車間距離が全くないほど、びっしりと車で埋まった高速道路を、タクシーが、押し分け掻き分け走り抜けました。方向指示器は、車間距離がないため無意味で、運転手は窓から腕を突き出して振り回し、大声で怒鳴りながら、ぶっ飛ばしました。北京のタクシーは、ジェットコースターよりはるかにスリルがあります。自転車は全く見当たらず、見渡す限り車の洪水で、スモッグのため、星、月は勿論、青空、太陽も、全く見えませんでした。食事がボリューム満点で、安くて美味しかったのは、嬉しかったです。地下鉄は、オリンピックに合わせて、急遽、超近代的なものができたのですが、四国よりも広大な北京をカバーするには、不十分です。西太后が莫大な資材を費やして作ったSummer Palaceでは、豪華さと広大さに呆然としました。次の日は、夕闇の迫る頃、「団結湖」という地下鉄駅の近くの雲南料理の名店を目指して、出発しました。タクシー運転手に、「団結湖公園」で下ろされ、それが目的地からはるかに遠かったため、真っ暗な夜道を、数時間、彷徨うことになりました。車に何度も轢かれそうになったり、上半身裸の男性たちとすれ違ったり、恐ろしい体験でした。でも、やっとたどり着いた店では、キノコがいっぱいの、珍しい雲南料理が美味しかったです。無事に帰国でき、今では全て、楽しい思い出です。

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